Concept

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本プロジェクトの第一義的な目的は、「国際の狭間に置かれた人々に寄り添う」ことのできる【心(KARDIA)】を備えた人間を育成することです。国際法教育では、助けが必要な人を「救う」側の活動に焦点が当てられることが多いですが、そもそも「救われる」側がどのような痛みを味わっているかという倫理的な感覚がなければ本当の意味での救いにはなりえません。そこで、本プロジェクトに参加する学生には、まず何よりも「寄り添う」という倫理を基本に据えて勉学に励んでもらいます。

​​他方で、剥き出しの生の現場に置かれた人々に「寄り添う」ためには、心を尽くすだけでは不十分で、それを現実にするための知恵が必要になります。本プロジェクトは、入管・外交・戦争・裁判といった様々な場面を模擬的に体験することで、実践的に【知(DIANOIA)】を獲得することができます。これらの模擬的な取組では、それぞれ国際難民法・国際人権法・国際人道法・国際刑事法といった人間に焦点を当てた国際法の分野を対象とすることから、理論的な学問体系も念頭に置いて勉強を進めることができます。

この理念に共鳴する学生は、学部を問わず勇気を持って本プロジェクトの門を叩いてください。

仲間と一緒に心と知を成長させましょう。

 

ACTIVITY

模擬入管(国際難民法)

​【模擬入管とは?】実際の入国管理をモデルにした架空の題材をもとに、学生が入管センターに収容されている人々を演じて他の参加者と面談を行うことで、入管問題の現実に迫ることのできる本プロジェクト独自の体験シミュレーションです。本プロジェクトでは、現場の雰囲気を体験シミュレーションに適切に反映させるために、学生自らが長崎県大村市に所在する入国管理センターを訪問して、被収容者に「寄り添う」心構えを真摯に学んでいきます。

【国際難民法とは?】難民条約と議定書を基礎として、難民の認定や保護、それらの手続に関する入国管理を規律する国際法の分野です。世界には現在、迫害・紛争・暴力などから逃れて庇護を求める人々、国境を越えた難民、国内で避難している人々を含めて、約7000万人ほどが日々の暮らしに困窮しています。日本もけっして無縁ではなく、先進国のなかでも圧倒的に難民認定率が低い状況にあり、国際難民法に照らした入国管理の制度の構築が求められています。

【参加学生の感想】大村入国管理センターへの訪問では、私たちが質問を投げかけたあとに、「どうすれば誰も死なずに済みますか?」と被収容者の方から逆に問われました。私たち日本人が作った制度の陰で、命を落としていく人がいる現実と真正面から対峙したことに、ひどく動揺してしまいました。そのときの男性の表情や心からの訴えを私はこれからも忘れることができないでしょう。

(2019年度 法学部 国際関係法学科4年 荒田雅子)

模擬外交(国際人権法)

【模擬外交とは?】実際の外交をモデルにした架空の題材をもとに、学生が外交交渉の現場で国家の代表として書面や発言を体験していくことで、国益の確保と国際社会への貢献のバランスをとりながら議論を組み立ていくユニークな教育方法です。本プロジェクトでは、国際連合人権理事会の普遍的定期的レビュー(UPR)手続を模擬的に体験する国際大会(8月・韓国・本学共催)にも参加し、アジア地域の同年代の学生たちと人権問題に関する建設的な対話を繰り広げていきます。

【国際人権法とは?】世界人権宣言や国際人権規約を基礎として、人間の固有の尊厳に由来する権利について定めた国際法の分野です。伝統的に国家間関係を扱う国際法において埋没してきた個人に焦点を当てることから、まさに「国際の狭間に置かれた人々に寄り添う」ための分野と言えます。先進国である日本にも表面化しない人権問題が多数存在しており、他国から建設的批判を受けるUPR手続を体験することで、私たちが見過ごしてきた問題に目を向けることになるはずです。

【参加学生の感想】発表の内容を考えるうえで、人権問題の法的側面だけでなく政治経済的側面についても調べていくうちに、自分がいかに日本の状況について知らなかったか、そして、そもそも関心がなかったのか痛感しました。実際の人権問題に向き合うことで、私たちの国の方針について知ることができ、新たな視点と問題意識を持つことができました。

(2019年度 法学部 国際関係法学科2年 宮本ひかる)

模擬戦争(国際人道法)

【模擬戦争とは?】実際の戦争をモデルにした架空の題材をもとに、学生が武力紛争の現場に関わる多種多様な役割(兵士・人道支援職員・政府高官など)を演じて、戦争における人道性について様々な角度から理解できる教育方法です。本プロジェクトでは、赤十字国際委員会(ICRC)主催の国内大会(9月・東京)だけでなく、アジア地域大会(2018年度出場)や世界規模のジャン・ピクテ大会(2019年度出場予定)に参加し、国内外の同年代の学生たちと切磋琢磨します。

【国際人道法とは?】ハーグ条約やジュネーヴ条約を基礎として、負傷したり病気になった兵士・捕虜、武器を持たない文民の人道的な取り扱いを定めた国際法の分野です。武力行使自体は国連憲章で禁止されているものの、現代でも戦争は絶えないどころか、世界情勢の悪化や技術の進展により新たな問題が噴出しています。戦争を模擬的に体験するロールプレイでは、室内だけでなく屋外にも飛び出して、それらの問題を紛争現場さながらの臨場感を持って体感してもらえるはずです。

【参加学生の感想】戦争のなかでは思考を止めずに常に、軍事的利益とそれによって失われる人道的な損失の均衡性を考えることが求められます。他大学の学生との競争のなかで、「他人とのコミュニケーションの連続性」、「失敗をためらわず常に何かを求めるハングリー精神のマインド」の重要性を学ぶことができました。

(2019年度 法学部 国際関係法学科2年 井上凛太郎)

模擬裁判(国際刑事法)

【模擬裁判とは?】実際の国際裁判をモデルにした架空の題材をもとに、学生が原告・被告の代理人として法議論を戦わせる競技であり、書面作成や弁論技術など法律家に必要な素養を飛躍的に上昇させる教育方法として世界中で広く行われています。本プロジェクトでは、国際刑事裁判所(ICC)をモデルにした赤十字国際委員会(ICRC)主催の模擬裁判大会(9月・東京)に出場し、国内の同年代の学生たちと書面や弁論を通じて議論を戦わせています。

【国際刑事法とは?】重大な国際犯罪を行った個人がどのように責任を問われるかについて規律する国際法の分野です。「個人を守る盾」としての国際人権法に対して、「個人を裁く矛」としての国際刑事法では、国際社会の代表としての検察と、無実を訴える責任者の弁護人との間で熾烈な議論が交わされます。武力紛争に適用される国際人道法も合わせて扱うことになるので、個人の尊厳に密接に関わる分野を総合的に学ぶことになります。

【参加学生の感想】実際に全国の大学のトップレベルの人たちと同じフィールド、同じ分野で戦えたことというのは貴重な体験であったとともに自分の現在地を知ることにもなりました。実際に立たせてもらった弁論の場はきつく苦しい場所でもありましたが、各大学の月日をかけた弁論と競い合うことで自分自身が猛スピードで向上できている手応えも感じました。

(2018年度 法学部 国際関係法学科2年 古本翼)

 

Report

【模擬外交】

韓国大会報告書

​(2019年度)

【模擬戦争】

アジア大会報告書

(2018年度)

【模擬裁判】

ICRC大会報告書

​(2018年度)

Seinan Spirit 212号

​(インタビュー:古本翼)

模擬入管】

​活動報告書

(2019年度)

 

Event

 

Contact

西南学院大学 法学部 准教授   根岸陽太

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模擬入管】

2020年度参加者募集​

(全学部・全学年)

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